私は物申したい。世の大半を占めるダイエットノウハウに。ダイエットの話題になると必ずと言って良いほど、“ハンバーガーとフライドポテト”が、ダイエットNG食の代表格としてやり玉にあがる。
ハンバーガーとフライドポテトは、本当にそんなに悪い食べ物なのか?ハンバーガーとフライドポテトをダイエットのNG食と言っておけば「大概それっぽくなる」程度の理由で、ハンバーガーとフライドポテトを悪者にしていないだろうか?
私はハンバーガーが大好きだ。特に照り焼きバーガーは絶品だ。甘じょっぱいタレとマイルドなマヨネーズ、肉とパン、組み合わせが最高だ。相対性理論に匹敵するレベルの発明だと思っている。地球最後の日、最後の晩餐には必ず「照り焼きバーガー」を食べたい。
しかし、照り焼きバーガーはハンバーガーの中でも特に悪く言われがちだ。タレに砂糖やみりんが含まれ、油たっぷりのマヨネーズまでかかっているからだ。だからこそ美味しいのに、とにかく悪口を言われやすい。
さらに矛先はフライドポテトにも向けられる。王道のダイエット本やブログのほとんどが、「サイドメニューにはサラダを選ぼう」と言っている。目を、耳を、疑わずにいられない。ハンバーガーはフライドポテトとセットで食べるから美味しいのだ。サイドメニューにフライドポテトを選べないのなら、ハンバーガーを食べる意味はない。ポテトは脇役ではない。ハンバーガーとフライドポテトはダブル主演なのだ。大人気刑事ドラマ「相棒」は、水谷豊さんに負けないくらい個性たっぷりの相棒がいるからこそ、面白いのだ。
本当にハンバーガーとフライドポテトはダイエットの敵なのか?ハンバーガーを楽しみながら、ダイエットを成功させることは不可能なのか?
結論:ハンバーガーを食べても、サイドメニューにフライドポテトを選んでも、ダイエットは可能だ。
今回は、その理由と方法をお話したい。
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てりやきマックバーガーのエネルギー量と栄養素量
私は照り焼きバーガーが大好きだ。違う味なら、別にハンバーガーを食べなくていい。だから、今回はマクドナルドのてりやきマックバーガーセットを例に、エネルギー量と栄養素を見てみよう。
マクドナルドの公式サイトから、各セットの栄養バランスを確認できるので、気になる人は好みのメニューをチェックしてみてほしい。
てりやきマックバーガーとマックフライポテト®(M)の栄養バランス
まずはエネルギー量だ。エネルギー量は、照り焼きハンバーガーだけで、ほぼ500kcal。フライドポテトをプラスすると、1食で900kcalものエネルギーを摂取することになる。
マクドナルドの指標では、成人女性の1日のエネルギー必要量を2,050kcalとしている。しかし私個人で言えばエネルギー必要量は1,900kcal弱であり、現在はダイエット中なので1日のエネルギー摂取量を1,600kcal程度に抑えるように心掛けている。つまり、てりやきマックバーガーセットを食べると、1日に摂取できるエネルギー枠(1,600kcal)の半分以上をこの1食で使ってしまうことになる。
次に脂質だ。1日に摂るべき脂質量56.9gに対し、てりやきマックバーガーセットの脂質量は50g。てりやきマックバーガーセットは、1食で1日に摂れる脂質量枠を使い果たす。
体重増減の要因
ここで一旦、体重増減の要因について紹介したい。細かなことを抜きにすると、大きな要因は3つある。
体重増減の要因
- 1日のエネルギー出納バランス
- インスリンの過剰分泌
- PFCバランス
1日のエネルギー出納バランス
最も大きな原因は、1日のエネルギー出納バランスだ。
1日の食べたエネルギー量と使ったエネルギー量のバランスが「摂取量<消費量」の時、体重が落ちる。筋肉や脂肪をエネルギーに変えるからだ。
エネルギーバランスと体重の関係
- 摂取量 = 消費量のとき、体重維持
- 摂取量 > 消費量のとき、体重増加
- 摂取量 < 消費量のとき、体重減少
(参考:厚生労働省)
但し、過剰な摂取制限はやめた方がいい。体を壊す。それにリバウンドが起きやすい。食べる量は、自分のエネルギー必要量の80%程度に抑えて、時間をかけて脂肪を落とすのが理想だ。
インスリンの過剰分泌
もう一つの大きな要因は、血糖値の急上昇に伴うインスリンの過剰分泌だ。
炭水化物の一種である糖質を食べると、体内で分解されブドウ糖となり血中に流れ込む。そしてブドウ糖は活動エネルギーとして使われる。
では、大量の糖質を一気に食べるとどうなるだろうか?血中のブドウ糖の濃度が急上昇し、インスリンと呼ばれるホルモンが大量に分泌される。インスリンには血中のブドウ糖の濃度を下げる働きがあり、エネルギーとして利用しきれなかったブドウ糖を筋肉や肝臓に貯蔵し、それでも余った余剰ブドウ糖を脂肪に変える。
インスリンは別名「肥満ホルモン」と呼ばれる。
血糖値と脂肪の関係
- ブドウ糖が大量発生 → ブドウ糖が余る → 脂肪として蓄えられる
- ブドウ糖が必要分だけ発生 → ブドウ糖が余らない → 脂肪がつかない
では、糖質を完全に断てばいいのではないか?それが、そう単純にはいかない。次にPFCバランスについて紹介しよう。
PFCバランス
エネルギーに成り得るのは、炭水化物|脂質|タンパク質。これらはエネルギーになるだけでなく、それぞれに役割がある。
エネルギー産生栄養素とその役割
栄養素 | 役割 |
---|---|
炭水化物 | ・最も重要なエネルギー源 ・脳のエネルギーになる唯一の栄養素 |
脂質 | ・体内に37兆個あるとされる細胞の膜を構成 ・脂溶性ビタミンの吸収をサポート |
タンパク質 | ・体をつくる最も重要な構成成分 (皮膚|筋肉|臓器|血液|毛髪|爪|骨など) ・ホルモン|酵素|神経伝達物質|免疫物質|抗体などの原料 |
炭水化物|脂質|タンパク質 をバランスよく摂ると、体のパフォーマンスが上がる。その理想の摂取比率が、「PFCバランス」だ。
理想のエネルギー産生栄養素バランス
通称 “PFCバランス”
(参考:厚生労働省)
目標エネルギー摂取量別に各栄養素をグラムに表すと、下記のようになる。
目標 エネルギー 摂取量 | 炭水化物 50~65% | 脂質 20~30% | タンパク質 15~20% |
---|---|---|---|
1500kcal | 187~244g | 33~50g | 56~75g |
1600kcal | 200~260g | 36~54g | 60~80g |
1700kcal | 212~276g | 37~57g | 63~85g |
1800kcal | 225~292g | 40~60g | 67~90g |
緻密なカロリー計算をする必要はない。ざっくりと自分の必要量を把握しておこう。
ハンバーガーを食べながらダイエットは可能
話をハンバーガーに戻そう。ダイエットとハンバーガーを両立させることは、果たして可能か?
結論から述べると、可能だ。
前述の通り、私は1日のエネルギー摂取量1,600kcalを目標としている。てりやきマックバーガーセットを食べた日の、ほか2食で食べられる量は、以下のようになる。
(摂取比率の目標値は、炭水化物50%|脂質30%|タンパク質20%と割り振った。)
1日の目標エネルギー量と栄養バランス
目標 エネルギー量 | 炭水化物 50% | 脂質 30% | タンパク質 20% |
---|---|---|---|
1600kcal | 200g | 54g | 80g |
てりやきマックバーガーセットのエネルギー量と栄養バランス
エネルギー量 | 炭水化物 | 脂質 | タンパク質 |
---|---|---|---|
882kcal | 87.9g | 50.0g | 20.7g |
ほか2食で食べられる量
エネルギー量 | 炭水化物 | 脂質 | タンパク質 |
---|---|---|---|
718kcal | 112g | 4g | 59g |
まず、エネルギー量について。ほか2食で食べられるエネルギー量は718kcal。朝食のメニューを、ブラックコーヒー|バターロール1個|サラダ にし、エネルギー量を200kcalに抑えれば、残り1食に割り当てられるエネルギー量は500kcalだ。500kcalは、ヘルシーな一汁三菜の食事をしっかり食べられる量だ。
次に、インスリンの過剰分泌について。インスリンの過剰分泌は、糖質の一品食べ(おにぎりやパンだけ など)や早食いなどで起こりやすい。てりやきマックバーガーセットの糖質が90gと多いことから、食べる際はゆっくりよく噛んで味わって食べることを心掛けよう。(白米茶碗一杯分の糖質量は約50g)また、夜は血糖値が上昇しやすい時間帯なので、ハンバーガーセットを食べるのは、ランチがお勧めだ。食後は血糖が脂肪に変わる前にエネルギーとして消費するために、階段を使うなどして積極的に身体を動かそう。
最後にPFCバランスについて。ハンバーガーセット1食で脂質量が1日の上限に達するので、朝食のサラダにかけるドレッシングはノンオイルが望ましい。残りの1食は食物繊維を多めに、油|砂糖・みりんを使わないヘルシーな調理法、味つけにしよう。ご飯は少なめに、タンパク質は脂肪の少ない皮なし鶏肉や白身魚、納豆や豆腐、ゆで卵などで摂ろう。蒸し鶏、焼き魚、お浸し、味噌汁などだ。寒い時期なら鍋もいい。0kcalの自然派甘味料“ラカント”を使えば、選択肢はもっと増える。
ハンバーガーとフライドポテトを食べる日は、朝食から調整が必要だ。しかし、ハンバーガーとフライドポテトには、調整するだけの価値がある。そして調整した暁には、サイドメニューをフライドポテトにする権利を獲得できる。そしてハンバーガーとフライドポテトが、日々を楽しいものにし、新たな頑張る活力を与えてくれるのだ。
ハンバーガーを食べても、サイドメニューにフライドポテトを選んでも、ダイエットは可能だ。
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